Baidu(百度)とMicrosoftが英語検索で提携。MSにとってはGoogleが撤退した市場でのプレゼンスを大きく拡大するチャンスだ。
検索する時はほとんどGoogleかYahoo!なのでBaiduやBingの重要がどのくらいあるのかはよくわからないですね。
今回のは英語キーワードだけの検索結果だけのようなのでそんなに多く検索されないような気もします。
中国最大の検索エンジンであるBaidu(百度)が英語検索をめぐる米Microsoftとの提携を発表した。MicrosoftにとってはGoogleが撤退した市場でのプレゼンスを大きく拡大するチャンスであり、Baiduにとっては海外事業拡大の足がかりとなることが期待される提携だ。
両社の提携により、Baiduの検索画面に英語のキーワードが入力された場合には、その検索はMicrosoftのBingで実行され、検索結果がBaiduのWebページに表示されることになる。Baiduは7月4日にメールで声明を配信し、そう発表した。
中国の検索市場では、ネット検閲をめぐり中国政府と対立したGoogleが中国本土から撤退しており、現在はBaiduが約80%のシェアを占めている。中国には5億人近くのインターネットユーザーがいるが、それでもまだインターネット普及率はわずか30%に過ぎない。
Bingは、反体制派、台湾、ポルノなど論議を呼びそうなテーマを検索結果から排除することで中国国内でのサービス提供を認められているが、同国の検索市場におけるBingのシェアはごくわずかだ。一方でGoogleのオフショアサイトは20%近くのシェアを占めている。
Baiduの広報担当者カイザー・クオ氏によると、Bingは今回の提携に伴う英語検索に関しては「現在すでに行っている以上」の検閲や制限に従う必要はないという。この提携についてはMicrosoftも認めているが、それ以上のコメントは得られなかった。
GoogleはBaiduにシェアを奪われつつあるが、依然として中国市場のナンバー2だ。調査会社の米Net Applicationsによると、世界ではGoogleがWeb検索市場の約84%のシェアを占め、Yahoo!が6%、Bingが4%でそれに続いている。
「中国市場での事業提携という点では、Googleは墓穴を掘った可能性もある」とメディア業界を専門とする米調査会社Screen Digestのアナリスト、ダニエル・クナップ氏は指摘している。
「Baiduのような中国の地元企業は、中国の政府当局に要注意扱いされているGoogleとの提携には非常に慎重になるだろう。Microsoftはこれまで一貫してGoogleとは違う立場を取っており、Baiduにとってははるかに安心だ」と同氏。
今回の提携による新サービスは年内に始動の予定。モバイルプラットフォームと検索結果ページをめぐるBaiduとBingの既存の提携を土台としたものになるという。
Baiduは急成長中のモバイル分野とソーシャルネットワーキング分野で競争力を高めるべく、目下、コアとなる検索ビジネスからの多様化を目指しているところだ。同社は日本でも検索サービスを展開しているが、今のところ、この事業は赤字だ。
検索エンジンマーケティング会社の米Greenlightは今回の提携について、「両陣営にとってプラスになるだろう」と評価し、中国の検索広告市場を支配する新たなパートナー関係につながる可能性を指摘している。
「今回の提携は、Bingにとっては中国市場からの収益を増やすチャンスだ。Baiduもこれで、いざ海外に事業を拡大しようというときに必要となるものを手に入れられる」とGreenlightのCOO(最高執行責任者)を務めるアンドレア・ポルロス氏は語っている。
「Microsoftは中国市場にゆっくりと参入し、中国政府と衝突しないような方法で味方を作ってきた。従って、BaiduとBingはそれほど大きな問題にぶつかることなく中国の検索広告市場を支配できることになるだろう」と同氏。
Baiduのオンラインマーケティングの売上高は、2010年には前年比78%増の12億ドルだった。一方、Microsoftの2010会計年度のオンライン広告の売上高はBingからのわずかの売上高も含め、総額19億ドルだった。
アナリストの中には、Baiduで英語検索の需要がどの程度あるかに疑問を呈する向きもいる。
「提携はいいことだ。だがBaiduに及ぶ影響は非常に少ないのではないだろうか。Baiduで英語のキーワードがそれほど多数検索されることはないだろう。英語の検索はGoogleで行われる」と香港に拠点を置くCredit Suisseのアナリスト、ウォレス・チャン氏は語っている。